カプセルホテルに泊まって(ヨナ1章)

 アメ横のカプセルホテルに泊まった。受付の方はどこの国の方だったのか。サウナでうちわで扇いでくれようとした人はどこの国の方だったのか、夜中で誰かがベットから落ちて、外国語で会話していたのはどこの国の方だったのか。隣の回転寿司に行くと皿を数える声もどこの国の方だったのか。その隣のコンビニの店員もどこの国の方だったのか。私は聖書の世界を感じやすくなったように思った。この夜はなかなか眠れなかった。夜中じゅう、騒がしかったから、である。私はカプセルで一人、ヨナがタルシシュ行きの船の船底にいたことをずっと考えていた。こんな用いられ方もあるんだ。神はニネベへの憐れみを示すためにこんな用いられ方もあるんだと思った。日本の船底であなたは何をしているんだとの声が聞こえたように思えた。船に乗っている外国人たちはいい人たちばかりだ。船に乗っている外国人たちは最後の最後で「ヤハウェ」の名前で祈っている。